いざ運動せねば!!美しく老いるために!
”セノリティクス”が手に入るようになれば、老化を遅らせることができる?
ブログの最後に紹介していますが”LIFE SPAN"という本を最初に読んだときには、「老化は病気である」という衝撃的内容に驚きました。ぜひお読みください!!
さぁ、早速今日のVOA、聴いてみましょう!!!
研究者: 運動は老化を防ぐ最良の手段(和訳)
Researchers: Exercise Best Tool Against Aging
September 05, 2022
より多くの科学者がcellular senescence細胞老化 –細胞がもはや分裂しなくなる状態–を研究しています。
老化細胞は、高齢者の体に蓄積され、dementia認知症やcardiovascular disease心血管疾患などの老化関連疾患と関連があると言われています。
※senescence: 老化 【si'nesns】
dementia: 認知症 【diménʃə】
cardiovascular:心臓血管の 【kɑ̀rdiòuvǽskjulər】
科学者たちは、老化細胞を標的とした薬剤を研究しています。しかし、専門家によれば、老化細胞の悪影響に対する最も有望な手段は運動であるとのことです。
”非常にホットな話題”
米国国立衛生研究所のビビアナ・ペレス・モンテス氏は、細胞老化を "非常にホットな話題 "と表現しました。AP通信によれば、1985年以来、細胞老化に関わる約11,500のプロジェクトが開始されているとのことです。AP通信は、NIHの研究データベースを調査した結果に基づいています。多くのプロジェクトが近年始まったということです。
このような研究は、細胞が損傷に反応して分裂を停止し、”老化”状態に入るという考えに基づいています。このような細胞のほとんどは体外に排出されます。
しかし、その他の細胞は体内に残ます。メイヨークリニックのネイサン・ルブラッスール氏によれば、これらの細胞は近くの細胞に害を及ぼす可能性があるとのことです。彼はこれを、一つの悪い果物が容器一杯の果物をダメにしてしまうのに例えています。
しかし、科学者たちは不思議に思っています:老化細胞の不健康な蓄積を止めることができるのだろうか?
「加齢を理解する能力は、….人間の健康を変える、本当にわれわれが手にしたおそらく歴史上最大のチャンスです、」とルブラッセール教授は言います。健康寿命の延長は、”生活の質”と”公衆衛生”に影響する、と彼は言います。
2050年には、世界中で65歳以上の高齢者が2倍になると予想されています。
老化が超長寿の鍵を握っているとは誰も思っていませんが、タフツ大学の研究者クリストファー・ワイリー氏は、彼の祖父のように生前に苦しむ人が少なくなる日が来ることを願っています。祖父はアルツハイマー病でした。
「私は若さの泉を探しているのではありません、」とワイリー氏は言います。「年をとっても病気にならない泉を探しているのです。」
薬剤
約100の企業や学術団体が、老化細胞を標的とした薬剤を研究しています。
科学者たちは、細胞の老化が有用であることを注意深く指摘しています。このプロセスは、おそらく少なくとも癌の発生を抑制するために発達したものです。細胞の老化は、DNAの損傷やテロメア、chromosomes染色体の末端を保護する構造、の短縮などが原因で、私たちの生涯を通じて起こります。老化細胞は、創傷治癒、胚の発達、出産などに関与しています。
※ chromosome:染色体 【króuməsòum】
しかし、老化細胞が蓄積されると問題が出てくることがあります。
「若いうちは、免疫系がこれらの老化細胞を認識して排除することができます」と細胞生物学と加齢を研究するペレス教授は、言います。しかし、年を取り始めると、ペレス氏の言葉では、”免疫系の活動も低下し、老化細胞を除去する能力が失われていく”のです。
老化細胞を除去するように設計された実験薬は、"senolyticsセノリティクス "と呼ばれています。マウスでは、いくつかの老化関連障害を遅らせたり、予防したり、緩和したりする効果があることが示されています。
現在、少なくとも12の臨床試験が行われており、アルツハイマー病の制御や骨格の健康増進などに役立つかどうかが検証されています。
まだ、解明すべきことはたくさんあります。
運動
今日、メイヨーで老化に関するセンターを指揮するルブラッスール氏は、運動は晩年の健康のために”私たちが持っている最も有望なツール”であり、その力は私たちの細胞にまで及んでいると言います。
研究によると、運動は老化細胞の蓄積に対抗し、免疫系が老化細胞を除去し、老化プロセスに影響を与える分子損傷と戦うのを助けるそうです。
昨年、ルブラッスール博士は、運動が老化プロセスに大きな影響を与えることを、ヒトで初めて証明する研究を主導しました。それは、体内の老化細胞の影響を示す血流中の兆候を減少させたのです。
12週間の運動プログラムの後、研究者は高齢者の老化の兆候が減少し、筋力、身体能力、健康状態が改善されたことを発見しました。最近発表された研究レビューでは、老化を標的とした治療法としての運動について、さらなる証拠が—動物およびヒトにおける—集められています。
このような研究は科学界以外ではあまり知られていませんが、多くの高齢者が運動と若さを結びつけています。
牧場主のマイク・ゲイルさん、81歳、は、カリフォルニアの広大な敷地に陸上競技用の投擲サークルを設置しました。彼とその友人たちと円盤投げをしたり、他の運動器具を使ったりしています。
「90代でも競技を続けたいんだ。 」とゲイルさんは言います。「なぜかって?」
95歳のリチャード・ソラーさんは、運動のおかげで、62年連れ添った妻がアルツハイマー病を発症していることが判明するなどしても、何が起きても対処できる健康状態を保っていると言います。2人は時々、手をつないで近所の通りを一緒に歩きます
「できる限りのことをするんだ。」と彼は言います。「それが健康でいるための目標になるはずです。」
Researchers: Exercise Best Tool Against Aging
加齢と老化の違い
www.aging-regulation.jp
ー以下要約抜粋ー
『加齢』とはヒトが生まれてから死ぬまでの時間経過、すなわち暦年齢を示します。『アンチエイジング』の訳語を『抗加齢』とすることは適切ではありません。
『老化』とは成長期(性成熟期)以降、すべてのヒトに起こる加齢にともなう生理機能の低下です。
もう一つ、とても大切なことは老化は決して『病気』ではないということです。もし、老化を病気として捉えると20~30歳以降のヒトはすべて病人になってしまいます。
ここで面白い書籍があります。冒頭でご紹介した⬇️