毎回いろんな分野の英語単語・表現を学べるように記事をピックアップしてますが、
今回は、”Coral”!! VOAで英語を学びましょう!!
Here we go! !
サンゴを守るケニアの取り組み(和訳)
Kenya’s Efforts to Protect Its Coral
June 29,2022
アフリカ沖のインド洋で、絶滅の危機に瀕したサンゴ礁を復元している環境団体があります。
サンゴは、硬い海底構造物を作り、さまざまな海洋生物に食料や避難場所を提供する海の動物です。
ダイバーのヤティン・パテル氏と彼のチームは、REEFolution Foundationの一員です。ダイバーたちは、ケニア沖のワシニ島沖で活動しています。
彼らの目的は、サンゴのnurseries苗床を清掃し、成長したサンゴの大きさを測定することです。サンゴは、プラスチックパイプやスチールネットなどの材料で作られた構造物に生育します。
パテル氏はAP通信に、「我々は、サンゴの苗床を作るのに、野生の個体群から採取したcoral fragmentsサンゴの破片を使用します。成長した後、サンゴ園に運ばれます。」話してくれました。
このエリアは、財団と島のコミュニティによって共同で管理されています。2012年以降、毎年8,000本以上のサンゴを植えてきました。また、約800個の人工リーフを水中に設置し、ワシーニのサンゴ礁を再生してきました。
しかし、このプロジェクトは、コストの増大と、約3キロメートル離れたケニア沿岸のシモニに計画されている漁港のために危機に瀕しています。
国連海洋会議
6月27日から7月1日にかけて、ポルトガルのリスボンで国連海洋会議が開催されています。この会議では、サンゴ礁の保護と回復を目標の一つに掲げる予定です。
小島嶼国やアフリカの沿岸諸国は、”ブルーファイナンス”の手法を学ぼうとしています。これには、サンゴの保護と回復を目的とした6250億ドルの資金提供計画が含まれていると伝えられています。この資金は、海を生業としているコミュニティを支援することになります。また、以前から約束されている欧州連合によるサンゴ礁の再生支援や、サンゴ礁の保険についても議論される予定です。
※”ブルーファイナンス”
漁業や海運業、洋上風力発電、観光業など幅広く、そのための資金調達を「ブルーファイナンス」という。
ブルーファイナンスの実施例としては、18年10月にインド洋に浮かぶ島国セーシェルが発行した世界初のソブリン・ブルーボンド(利率6.5%、総額1500万ドル)が代表的。海洋保護区域の拡大やIUU(違法・無通報・無規制)漁業の取り締まり、観光業振興などに活用された。
【RI特約記事】投資家や銀行が「ブルーファイナンス原則」を支持 | QUICK ESG研究所
2018年3月7日から9日、メキシコで世界海洋サミット(The Economist World Ocean Summit 2018)が開催された。8日には、欧州委員会、WWF、英国プリンス・オブ・ウェールズ慈善財団が設立した国際持続可能性ユニット(International Sustainability Unit)と欧州投資銀行(EIB: European Investment Bank)の共同で「持続可能なブルーエコノミーファイナンス原則(Sustainable Blue Economy Finance Principles)(以下、ブルーファイナンス原則)」が制定され、投資家からの支持を集めた。ルクセンブルクに拠点をおく運用会社Althelia Ecosphere、英国の運用会社アビバ・インベスターズ、フランスの大手銀行グループBPCE、EIB、ベンチャーキャピタルのSeventure Partners、保険大手Willis Towers Watsonや世界銀行などの機関投資家も本原則を支持している。また、欧州委員会のサステナブル金融に関するハイレベル専門家グループ(HLEG: High-Level Expert Group on Sustainable Finance)も支持を表明した。
ブルーファイナンス原則は、海洋保護がもたらす物質的な恩恵に焦点を当て、投資家に持続可能な海洋資源への支援を促す。内容は、国連のSDGs(持続可能な開発目標)に沿っており、特に目標14 「海の豊かさを守ろう」で掲げられた「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」を支持している。海洋資源保護に取組むだけでなく、社会、環境および経済にもたらすメリットを積極的に推進する。EIBは「この活動が広がれば、人類による海洋資源の管理方法が変わる可能性がある」としている。
サンゴの死滅による魚の個体数減少の脅威は、東アフリカ諸国の問題に拍車をかけています。東アフリカでは雨が少ないため、この地域の何百万人もの人々がすでに食糧危機に直面しています。ウクライナでの戦争も、この地域の食糧供給に影響を与えています。
3月上旬、気候変動に関する政府間パネルは、アフリカの沿岸国や島嶼国が直面する脅威について厳しい警告を発しました。それによると、インド洋西部のcoral reefsサンゴ礁が完全に崩壊する危機に瀕していると言います。
ワシニ島のサンゴプロジェクトは、アフリカの東海岸に数多く存在するプロジェクトの一つです。この地域は、海水温の上昇により、coral bleachingサンゴの白化という問題に直面しています。例えば1998年には、インド洋の広大な地域—ソマリアから南アフリカまで—のサンゴが大きな影響を受けました。
サンゴの白化とは?
サンゴの白化は、極端な温度と太陽によってサンゴがalgae藻類を放出することで起こります。これにより、サンゴは色を失い、白っぽくなります。サンゴは白化現象に耐えることができますが、bleaching events白化現象はサンゴに大きなストレスを与えてしまいます。
ティム・マクラナハン氏は、ニューヨークに本部を置く非政府組織、the Wildlife Conservation Society,野生生物保護協会の専門家です。彼によると、1998年の深刻な白化現象に加え、1983年にも白化現象が起きていると言います。さらに近年では、2005年、2010年、2016年にも小規模な現象が起きています。
科学者たちは長年、インド洋西部沿いのサンゴの白化について心配してきました。これらの事象をよりよく理解するための研究が続けられています。マクラーナハン氏によると、その多くは気候変動と直接関係があるとのことです。
ワシニサンゴの再生プロジェクトは、この地域だけではありません。Nature Seychellesは自然保護非政府組織(NGO)です。インド洋西部で最初にサンゴの植え替えを始めたのはこの団体です。このプロジェクトは現在も進行中です。現在、タンザニアでも同様の取り組みが行われています。
しかし、ワシニの珊瑚は状態が悪いとマクラーナハン氏は言います。
「タンザニア、モザンビーク、マダガスカルには、より状態の良い地域があります。私たちはそれらのサンゴ礁を保護するために活動しています。」と彼は述べています。また、白化したサンゴの回復を目的としたプログラムよりも、保護プログラムの方がはるかに成功率が高いとも彼は言っています。
野生生物保護協会が行ったサンゴの回復の試みについて、「費用がかかるうえ、長期的には植えたサンゴの多くが死んでしまうことがわかりました。」と彼は述べます。「復元作業では、この大きな規模の問題を解決することはできません。」と。
このワシニ礁の再生プロジェクトは、シモニに計画されているdeep-sea深海漁港の脅威にも直面しています。
AP通信が見た環境報告書によると、この港の建設はサンゴ、魚、その他の海洋生物に害を及ぼすと言います。