報告書：禁止された米国製コンピューター・チップ、中国で高い需要（和訳）

Report: Banned US Computer Chips in High Demand in China

September 08,2022

learningenglish.voanews.com

中国のトップクラスの研究と教育機関の一部は、輸出規制がかかっている米国のコンピューターチップに依存していると、報道されています。

米国に拠点を置くチップメーカーのエヌビディアNvidiaは先週、米国当局から中国、香港、ロシアに２つのトップコンピューターチップを輸出できなくなったと告げられたと発表しました。

この高性能チップは、主要なコンピューターデータセンターに電力を供給し、人工知能（AI）システムをサポートするために設計されています。

米国当局は、武器に使われる可能性のあるチップ技術の普及を抑えるために輸出制限が必要だと述べています。今回の規制は、ビデオゲームや自動車技術に広く使用されている、よりよく知られたNvidiaの製品には影響しません。

Nvidiaは、輸出禁止は同社のA１００とH１００チップに影響し、これらは機械学習操作にさらなるパワーを追加するよう設計されていると言います。同社のH１００チップはまだ開発中です。Nvidiaは公式の財務報告書の中で、輸出規制によってH１００チップの進捗が止まる可能性があると述べています。同社は、この禁止がまた、企業に業務の一部を中国から移転する必要が生じる可能性があると言います。

同じく米国のチップメーカー、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ（AMD）社も、米商務省から中国とロシアへの一部の高性能チップの出荷を阻止する命令を受けたことを確認しました。ただしAMDは、この規制が製品開発が遅れたり、事業運営に大きな支障が生じたりすることはないとしています。

中国は、米国の輸出規制を批判しました。米当局が輸出規制を悪用して、中国への高性能チップの販売を制限していると非難しています。中国商務省の報道官は、貿易制限はサプライチェーンの問題を悪化させ、COVID-１９パンデミック後の世界経済の回復努力を遅らせることになると警告しています。

コンピューター・チップは中国にとって最大の輸入品です。コンピューター・チップに関する中国の懸念は、COVID-１９のためにチップ工場での作業が減速したため、過去２年間に増大しました。

ロイター通信はこのほど、中国における制限されたチップの需要レベルを確認するために、過去２年間の企業の支払いデータを調査しました。

調査の過程で、記者は中国のスィンホワ大学（清華大学）が昨年１０月、NvidiaのAIスーパーコンピュータ２台に４０万ドル以上を支払っていることを発見しました。各コンピュータには４つのA１００チップが搭載されていることが、企業の財務データから判明しました。清華大学は、中国で最高ランクの高等教育機関の１つです。

同月、中国の計算機技術研究所は、A１００チップに約２５万ドルを費やしました。この研究所は、国内トップの研究グループである中国科学院(CAS)の一部です。

CAS大学の人工知能学部は７月、ハイテク機器に約２０万ドルを費やしたことが、ロイターの報道で明らかになりました。その機器には、A１００チップを部分的に搭載したサーバーが含まれていました。

また、１１月には、グァンドンサン（広東省）にあるジナン大学（済南大学）のサイバーセキュリティ学部が、NvidiaのAIスーパーコンピュータに９万３０００ドル以上を費やしました。さらに、同大学の知能システム科学・工学部では、つい先月、１０万ドル近くを費やして8個のA１００チップを購入しました。

地方政府や地域政府が支援する他の研究所や大学も、A１００チップを購入したことがロイターの報道で明らかになりました。

ロイター通信が接触した研究部門のいずれも、チップの制限に関するコメントを求める要請に答えていません。

Nvidia社もコメントを求めても回答しませんでした。しかし同社は最近、９月までの３ヵ月間に、影響を受けたチップの中国での売上が４億ドルに上ったと発表しました。同社は、同社の顧客が他のNvidia製品を購入しないことを決定した場合、そのビジネスの多くが失われる可能性があると述べています。Nvidiaはまた、新規則の適用除外を求める予定であるとも述べています。