民主主義において、世襲の特権を持つ君主制が維持されるのはなぜでしょうか。
イギリスや日本で語られてきた正当化の根拠は、概ね”権威”の存在です。社会が安定するという論理。
しかし現代では、その内部から不満や疑問が呈されているように見えます。
内から外へ発信される懸念、これまでは考えられないことでしたが、それにより国民的議論へと発展しています。いいことだと思います。
日本の場合、存続だけを考えるなら女性天皇でも良いし、そもそも論に立ち返るのもいい機会だと思います。内と外で合意できるのであれば、政治的判断は不要に思います。
なぜなら、日本国憲法、第一章第一条の定義されているからです。
"この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。”と。
さて、今日、エリザベス2世の統治70周年を迎えます。その日を祝う「プラチナジュビリー」の祝賀行事は、特別に祝日となる6月2~5日の4日間を含め、一年を通じて国内の各地で行われる予定だそうです。どんな行事が待っているのでしょうか?
VOAで英語を学び、考えを深めましょう!!
英国、エリザベス女王のもとで70年の変化を迎える(和訳)
Britain Marks 70 Years of Change under Queen Elizabeth
February 04, 2022
英国は日曜日、エリザベス2世の統治70周年を迎えます。
25歳のエリザベスは、父王ジョージ6世の死去に伴い、1952年2月6日に女王となりました。ウィンストン・チャーチルを首相に迎え、第二次世界大戦の被害を乗り越えたこの国を引き継ぎました。
それ以来、首相、ローマ教皇、大統領などが現れては消えきました。ソビエト連邦は崩壊し、イギリス自身の帝国も消滅しました。
テレビ時代の戴冠式
1953年6月2日、エリザベスの戴冠式は、世界中の何百万人もの人々がテレビの生中継で見た最初のイベントでした。
この放送により、イギリス王室は人々のリビングルームに登場することになったのです。1957年、エリザベスは初めてクリスマスのテレビ放送を行い、この新しいメディアによって自分のメッセージが "より個人的で直接的 "になることを望むと述べました。
「少なくとも数分間は、私の家の平和な空間にあなたをお迎えします」と、当時、語っていました。
結婚式から葬式まで、そのセレモニーは必見のテレビとなったのです。1981年7月29日に行われたチャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式は、世界中で推定7億5千万人が視聴しました。
憲法上、英国の君主は現在、実質的な権力をほとんど持たず、非政治的であることが期待されています。
しかし、歴史家によれば、エリザベス女王は”ソフト”パワーを駆使し、王政を国家の求心力にしてきたといいます。COVID-19の大流行が始まったとき、女王は放送を使って国民を落ち着かせました。
英国の元指導者たちは、女王の長年の経験が大いに役立ったと語っています。彼らは、自分たちの会話が公にされることを恐れることなく、自由に話すことができたと言っています。
トニー・ブレア元首相は次のように語っています。「彼女は状況や困難を判断し、政治的な好みなどの手がかりを与えることなく、それを説明することができます。実に驚くべきことです。」と述べています。
歴史家の中には、女王は最後の一人であり、疑う余地のない尊敬を集める君主と見なされるだろうと言う人もいます。
また、ホワイトロック氏は、「彼女(女王)は、その長寿だけでなく、彼女が目撃した変化の時代において、最も偉大な君主の一人として名を連ねるだろう」と観察しています。
Britain Marks 70 Years of Change under Queen Elizabeth
Britain will mark the 70th anniversary of Queen Elizabeth II’s rule on Sunday.
The 25-year-old Elizabeth became queen on February 6, 1952, following the death of her father King George VI. She took over a country that survived the damages of World War II with Winston Churchill as prime minister.
Since then, prime ministers, popes, and presidents have come and gone. The Soviet Union has collapsed, and Britain's own empire has disappeared.
Coronation in the age of television
On June 2, 1953, Elizabeth’s coronation was the first event seen on live television by millions around the world.
The broadcast brought the British royal family into people’s living rooms. Elizabeth then made her first televised Christmas broadcast in 1957, saying she hoped the new medium would make her message “more personal and direct.”
“At least for a few minutes, I welcome you to the peace of my own home,” she said at the time.
From weddings to funerals, the ceremonies became must-see television. An estimated 750 million people around the world watched the wedding between Prince Charles and Lady Diana on July 29, 1981.
Winds of change
A Spaniard reportedly told King Charles I that “the sun never sets” on the British Empire. Historians estimated the empire once ruled more than 400 million people and had 25 percent of the earth’s landmass. It was so huge that there was always daylight in one of the territories.
Under Elizabeth, Ghana became the first British colony in Africa to celebrate independence in 1957. Three years later, then British Prime Minister Harold Macmillan made his famous “winds of change” speech in South Africa. By 1970, most of Britain’s African and Caribbean colonies had gained independence. And Britain handed over Hong Kong to China in 1997.
The queen, however, remains the head of state in 15 Commonwealth countries including Australia, New Zealand and Canada.
No second Elizabethan Age
Elizabeth's rule has often been compared, good or bad, to the “Golden Age” of the first Elizabeth in the 16th century. That was a time when England grew its economy, expanded its influence, and celebrated the great William Shakespeare.
British historian David Starkey observed that there would be no second Elizabethan age. He said the queen views her role as simply doing a job.
He told Reuters, "I say this not as criticism, but simply as a statement of fact… For she came to the throne with one thought only: to keep the royal show on the road."
Anna Whitelock is Professor of the History of Monarchy at London's City University. She noted, "The definition of success for any monarch over time is to preserve the monarchy and ensure the succession. That is the primary job, and that's what she's done."
Matthew Dennison recently wrote a book about the queen. He said the way Elizabeth performed her role has given her a moral position beyond anything she had as a monarch.
Soft power
Constitutionally, the British monarch now has few practical powers and is expected to be non-political.
However, historians say Elizabeth has used "soft” power and made the monarchy a unifying force for the nation. At the start of the COVID-19 pandemic, the queen used her broadcast to calm the public.
Former British leaders have said her years of experience have proved of great help. They said they could speak freely without fear of their conversations ever being made public.
Former prime minister Tony Blair said: "She will assess situations and difficulties and can describe them without ever ... giving any clue as to political preference or anything like that. It's quite remarkable to see."
Some historians say the queen will be viewed as the last of her kind, a monarch who commands unquestioned respect.
And Whitelock observed that "She [the queen] will be up there as one of the greatest monarchs not just for her longevity, but for the period of change which she has witnessed.”
Words in this Story
coronation – n. a ceremony in which a crowd is placed on the queen or king
royal – adj. relating to king or queen
empire – n. a group of countries controlled by one ruler
throne -n. spacial chair for the king or queen
monarch - n. a person, king or queen, who rules a country
preserve – v. to keep something in its original state
ensure – v. to make sure, certain
assess – v. to make a judgement
エリザベス女王即位70年のお祝い行事
5月12~15日
ウィンザー城で上演される90分間のショーのテーマは、エリザベス1世の治世から現在までのイギリスの歴史。各国の俳優やアーティスト、ミュージシャンなど約1000人がパフォーマーとして、500頭の馬とともに出演する。
6月2日
女王の誕生日パレード、トゥルーピング・ザ・カラーは今年、1400人以上の兵士と楽団、馬によって行われ、通常より華やかなものとなる。イギリス空軍が祝賀飛行を行い、エリザベス女王をはじめとするロイヤルファミリーのメンバーたちはバッキンガム宮殿のバルコニーから、その様子を見物する。
また、この日には国内1500の市町村とチャネル諸島、マン島、そしてコモンウェルス諸国で、ビーコン(かがり火)がともされる。
6月3日
セント・ポール大聖堂で、エリザベス女王の治世をたたえる感謝の礼拝が行われる。
6月4日
『BBC』が外国からもアーティストを招き、バッキンガム宮殿でコンサートを開催、その模様をTV放送する。
6月5日
「ビッグ・ジュビリー・ランチ」として、20万カ所以上でイベントが開催される。この一環で行われる「プラチナ・プディング・コンテスト」は、8歳以上の国内居住者は誰でもエントリーが可能。出場者は、それぞれが考案した女王に捧げるプディングを披露する。
上位5人に入った出場者は、次にデザートで競い合う。料理研究家のメアリー・ベリーやバッキンガム宮殿の料理長、マーク・フラナガンを含む専門家たちの審査によって最も優秀なデザートが選ばれ、そのレシピは国民に公開される。
各地でのその他のイベント
今年行われるその他のイベントには、園芸や農業などに関心の高いコミュニティーが女王の在位70年を祝って行う植樹、「クイーンズ・グリーン・キャノピー」などがある。
この取り組みでは、保護の対象として森林地帯70カ所と古木70本を特定するほか、失業中の若者が参加し、植樹に必要なスキルを学ぶことができる研修プログラムを提供する。
また、バッキンガム宮殿とウィンザー城、スコットランドのホリールード宮殿では7月から、女王の即位、戴冠、そしてジュビリーを記念する特別展が行われる。
バッキンガム宮殿では女王のポートレートと所有するジュエリー、ウィンザー城では戴冠式で着用したドレスなど、ホリールード宮殿では、シルバー、ゴールデン、ダイヤモンドの3回のジュビリーで女王が身に着けたドレスなどが展示される。
そのほか、ノーフォーク州サンドリンガムとアバディーンシャー州バルモラルにある女王の私邸でも、近隣の住民を招く記念のイベントが行われる予定。
王室のある国
全部で27か国。
憲法によって君主の権力が制限されています。
君主が政治の全権をにぎっており、自由に権力を振るう政治形態である。
立憲君主制国家
イギリス/オランダ/ベルギー/ルクセンブルク/スペイン/モナコ/ノルウェー/スウェーデン/デンマーク/日本/モロッコ/レソト/ヨルダン/クウェート/バーレーン/ブータン/タイ/カンボジア/マレーシア/ブルネイ/トンガ
絶対君主制国家
リヒテンシュタイン/エスワティニ/サウジアラビア/カタール/UAE
詳しい記述は下記URL参照ください。
https://traveltips-travellife.com/27kingdom/
立憲君主制,男女同権になりつつある欧州
日本の立憲君主制は世界から遅れているのか | ブックス・レビュー | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
下記、上記編集要約
男女同権が欧州王室の中で最も早いのはスウェーデン、1980年1月。
その後、オランダ(1983年)、ノルウェー(1990年)、ベルギー(1991年)などが続き、英国では2013年に「絶対的長子相続制」が採用されています。2017年現在、男子優先を採るのはスペインだが、女子も継げます。
ただ、リヒテンシュタイン公国はいまだ男子のみの継承法を維持しています。
生前退位の事例
オランダ、ルクセンブルク、ベルギーでは慣例化しています。