我思う故に我あり

日常で感じたこと、考えたことを綴ります。

2022北京オリンピックとPM2.5

PM2.5よりも怖いPM0.5をご存知でしょうか?

心臓など循環器系で疾患を引き起こす危険性のある微小粒子状物質です。

もちろん中国の大気汚染の話です。

こんな環境でアスリートの体調は大丈夫なのでしょうか?

オリンピック期間だけ会場周辺の工場などを一時操業停止、車使用禁止などの対処をするかもしれませんね。

 

 

 

 

 

’グリーン’なオリンピックを目指す中国、しかしスモッグとの戦いに備える

China Hopes For 'Green' Olympics But Prepares to Fight Smog

 

learningenglish.voanews.com


FILE - A general view shows the skyline of Beijing, China, shrouded in smog, March 15, 2021. (REUTERS/Tingshu Wang)

中国は冬季オリンピックを機に、環境改善への取り組みを強化しています。しかし、大会が開催される北京はスモッグが多いのです。そのため、街は最悪の事態を想定して準備を進めています。

北京は、国際オリンピック委員会から冬季オリンピックの開催を授与されて以来、大気の質を改善してきました。しかし、エコロジー環境省は、冬のスモッグのリスクは "深刻 "のままであると述べています。

同省の広報担当者は最近、記者団に対し、同市と近隣の省では計画が進んでいると言います。

「時期が来れば、北京市と河北省は法律に従って合理的な環境保護策を採用するよう指導されるだろう」と報道官は語っていました。

彼は、この地域の重度汚染産業が1月1日以降に閉鎖されるという報道は "真実ではない "と述べています。

批評家たちは2015年--北京が競技大会を獲得したとき--、危険なスモッグが冬季五輪を脅かすと警告しました。この地域は、大きな産業に囲まれているのです。

中国の習近平国家主席はその後、”グリーン”な大会を運営すると約束しました。北京を囲む河北省は、産業経済の”転換とアップグレード”を約束しました。

それ以来、中国は北京周辺に何千ヘクタールもの木を植えました。河北省は大規模な風力発電所太陽光発電所を建設し、電力を生み出しています。そして、政府は何百もの企業を移転させました。

PM2.5とは、大気中の汚染物質の一種です。2016年、北京・天津・河北地域のPM2.5汚染レベルは、1立方メートルあたり71マイクログラムでした。冬場には500マイクログラム以上まで上昇しました。2021年1月から9月までの平均が40マイクログラムであったことと比較すると、その差は歴然としています。

北京の測定値は、今年最初の9カ月間で33マイクログラムでした。これは中国の35マイクログラムの制限値を満たしています。しかし、世界保健機関(WHO)が提案する5マイクログラムというレベルより高いのです。北京の汚染レベルは、冬にかけてもっと高くなると思われます。

ワシントンに本部を置く国際中国環境基金は今年初め、「中国は冬季オリンピックで多くのメダルを獲得するだろうが、スモッグは...大会を困難に陥れるかもしれない」と述べています。

政府関係者は最近、政府主催の視察で、北京と河北省にある26のオリンピックエリアはすべて再生可能エネルギーで完全にまかなわれると述べました。また、700台以上の水素自動車が使用される予定です。

中国は、この大会を初めて”カーボンニュートラル”にするとしています。環境保護団体グリーンピースは、より多くの情報がなければ、大気中の炭素ガスを増やさないという目標が達成されたかどうかを知ることは困難であると述べています。

水不足も懸念事項のひとつで、特に人工雪や氷を作る作業には注意が必要です。

主催者は、大会が地元の水源にさらなる負担をかけることはないだろうと述べています。山の水と夏の間に降った雨を利用するとのことです。

 

 

 
 
 
China Hopes For 'Green' Olympics But Prepares to Fight Smog

FILE - A general view shows the skyline of Beijing, China, shrouded in smog, March 15, 2021. (REUTERS/Tingshu Wang)

China is using the Winter Olympic Games to strengthen its efforts to improve the environment. But Beijing, where the Games will take place, has a lot of smog. As a result, the city is preparing for the worst.

Beijing has improved its air quality since the International Olympic Committee awarded the city with the Winter Olympic Games. But the Ministry of Ecology and Environment has said winter smog risks remained "severe."

A ministry spokesman told reporters recently that plans were in place in the city and nearby province.

"When the time comes, Beijing and Hebei will be guided to adopt reasonable environmental protection measures in accordance with the law," the spokesman said.

He said reports that heavily polluting industries in the area would be closed after January 1 were "not true."

Critics warned in 2015 -- when Beijing was awarded the Games -- that dangerous smog would threaten the Winter Olympics. The area is surrounded by big industry.

Chinese President Xi Jinping then promised to run a "green" Games. Hebei province, which surrounds Beijing, promised to "transform and upgrade" its industrial economy.

Since then, China has planted thousands of hectares of trees around Beijing. Hebei province has built large wind and solar farms for creating electricity. And the government has moved hundreds of businesses.

PM2.5 is a form of pollution in the air. In 2016, the level of PM2.5 pollution in the Beijing-Tianjin-Hebei area was 71 micrograms per cubic meter. The level rose to more than 500 micrograms over the winter. That is compared to an average of 40 micrograms from January to September of 2021.

The reading in Beijing was 33 micrograms in the first nine months of the year. That meets China's 35-microgram limit. But it is higher than the level suggested by the World Health Organization of five micrograms. Beijing’s pollution levels are likely to rise much higher over the winter.

"China will win many medals at the Winter Olympics, but the smog...could plunge the Games into difficulties," said the International Fund for China's Environment, a Washington-based group, earlier this year.

Officials said during a government-organized trip recently that all 26 Olympic areas in Beijing and Hebei province would be completely powered by renewable energy. More than 700 hydrogen-powered vehicles will also be used.

China has said it would make the Games "carbon neutral" for the first time. Environmental group Greenpeace said without more information it would be hard to know whether the goal of not increasing carbon gasses in the atmosphere was met.

Water shortages are another concern, especially for the effort to make artificial snow and ice.

Organizers said the Games would not put additional pressure on local water supplies. Officials said they would use mountain water and rainfall from the summer months.

 

 

 

Words in This Story

smog— n. a mixture of fog and smoke; polluted, cloudy-like air

adopt –v. to accept or approve

in accordance with –phrase in a way that agrees with or follows

transform– v. to change completely

upgrade — v. to make (something) better by including the most recent information or improvements

plunge (into)— v. to cause something to happen suddenly

renewable — adj. able to be restored or replaced naturally

artificial – adj. not natural; made by people using industry, machines or processes

 

 

 

2015年、なぜ冬季オリンピックが中国に決定したのか

 

www.nippon-foundation.or.jp

 

前回北京が立候補した2000年大会招致では天安門事件が尾を引き、依然として中国事情が“竹のカーテン”に覆われていたことからシドニーに票が集まった。8年後、中国は周到に準備、モスクワ総会でロゲ氏と交代するフアン・アントニオ・サマランチIOC会長を味方につけた。しかし、国際社会からは見えていない部分も少なくない。バッハ氏は「挑戦だよ」「壮大な実験だ」と答えた。当時はそんな認識でしかなかった。

ところが北京大会での成功、中国経済の発展に目を見張ったバッハ氏は、サマランチ前会長の傾倒ぶりを参考に中国を頼りにしていく。そして会長選では中国と中国が影響力を行使した票を得て当選。中国出身のIOC委員の助言に従って、訪中し習主席に接近していったのだった。

オリンピックオーダーは近年、政治的な影響力のある人に贈られることが少なくない。2020年の安倍晋三(あべ・しんぞう)元首相の受章も一例だが、習氏受章がその嚆矢(こうし)である。

受章を契機に、習―バッハ両氏は会談を重ね、2015年7月マレーシアのクアラルンプールで開かれたIOC総会で2022年冬季大会北京開催が決まる。言うなれば、北京大会は習主席が勝ち取った大会。国内外に成功を見せつけ、自らの地位を不動にする役割を担う大会となった。

もちろんバッハ会長も中国企業のスポンサー参加(アリババ、蒙牛)という蜀を得て、2021年の再選に向けてIOC内での地位を固めていった。独裁者然とした振る舞いの裏に習主席との緊密な関係があったことはいうまでもない。

 

 

 

 

PM2.5より怖いPM0.5の存在

 

www.sankei.com

2014/1/5 11:55

【上海=河崎真澄】深刻化する中国の大気汚染問題で、復旦大学(上海)の研究グループは産経新聞の取材に対し、心臓など循環器系で疾患を引き起こす危険性のある微小粒子状物質として、「PM0・5」の存在を指摘し、中国当局に大気汚染の監視範囲を広げるよう求めていく意向を明らかにした。注目されている「PM2・5」よりも粒子の直径が小さいため、肺の奥まで侵入して血液中に流れ込み、心臓や弁などに障害を与えることが懸念されるという。

大気汚染をめぐり、中国では急性気管支炎など呼吸器系の健康被害を訴える患者が急増。また、世界保健機関(WHO)の専門組織は昨年10月、「がんの原因になる」との初の研究結果を公表していた。さらにPM0・5により循環器系の疾患リスクも高まることが確かめられれば、大気汚染の健康被害問題は一段と深刻さを増すことになる。

PM0・5の研究を進めているのは復旦大学の●(=もんがまえに敢)海東(かん・かいとう)教授(公共衛生学)らのグループ。中国の北部で昨年、大気汚染状況と住民の疾病発生状況との関連性を調べたところ、大気中に含まれる汚染物質の粒子が小さく、かつその濃度が高い地域ほど、循環器系疾患を抱える住民が多いとの結果を得たという。

人体には呼吸時に大気中に含まれる異物を除去する機能があるが、同グループによると、直径が7マイクロメートル(1マイクロメートルは1千分の1ミリ)のPM7・0より小さい微小粒子状物質は鼻腔をそのまま通過。同2・5マイクロメートルのPM2・5は気管に入り、急性気管支炎や喘息(ぜんそく)など呼吸器系の疾患を引き起こす。

 これが同0・5マイクロメートルと超微粒のPM0・5は肺の内部の気管支も通り抜け、血液中の二酸化炭素を酸素に交換する肺胞にまで侵入。その後、血液に流入し心臓や弁などで疾病を引き起こす恐れがあるという。研究グループではPM0・5と健康被害の関連性を今後さらに詳しく調べる方針だ。