エチオピアのエリトリア難民に対する攻撃
“There is a right to flee for your life no matter where you are.”
これまでも、エチオピア北部の民族紛争でスーダンに非難した人々の記事を２回取り上げました。その折にも触れた”ティグレ軍の指導者たちは、エリトリアがエチオピア連邦政府の要請で1週間に及ぶ紛争に参加したと非難。”
エチオピアのエリトリア難民の安全を懸念する権利団体
Rights Groups Concerned Over Safety of Eritrean Refugees in Ethiopia
December 24, 2020
エチオピアのティグライ地域でエリトリア難民に対する攻撃の報告が、人権団体の間で懸念を呼んでいます。
11月に紛争が始まる前、約96,000人のエリトリア難民がティグライの4つのキャンプに住んでいました。多くはスーダンや首都アディスアベバを含む国の他の地域に逃れてきました。
サラ・ミラー氏は、難民支援のために活動する独立した団体Refugees Internationalに所属しています。彼女によると、エリトリア人は、彼らの希望に反してティグライや祖国に戻されているといいます。
「エリトリア人が危険な場所に強制的に戻されているのではないかと懸念されています。」ミラー氏は、それがエチオピア国内、ティグライ国内、あるいはエリトリア国内である可能性があると言います。
ミラー氏はVOAに、エチオピアで活動している難民、家族、非政府組織（NGO）からの報告が寄せられていると語っています。
2人の上院議員が踏み込む
クリス・メルツァー氏は、エチオピアのUNHCRの緊急チームの一員です。彼の組織はティグレイの4つの難民キャンプに戻る許可を得ていないとVOAに語っています。しかし、2つのキャンプでは再び食糧援助が行われています。彼もまた、難民に対する暴力の報告を懸念しています。
「キャンプでの殺害や拉致についての多くの話を知っています。」と彼は言います。UNHCRは今のところその話を確認することはできませんが、もしそれが事実ならば国際法違反になる、と付け加えました。
この問題は米国当局者の注目を集めています。ニュージャージー州のコーリー・ブッカー上院議員とインディアナ州のトッド・ヤング上院議員は共同声明で、紛争のすべての当事者が法を遵守し、民間人を保護することを要求しました。エリトリアの兵士が難民が暴力から逃れることを許可するよう求めました。
「我々は、ティグライのエリトリア難民がエリトリア軍によって殺され、拉致され、強制的にエリトリアに戻されているという報告と、安全な地域に到達しようとしている一部の人々が出て行くのを阻止されているという不穏な報告に深く懸念しています。」と上院議員は述べています。
衛星で見た兵士の証拠
最近の報道では、エリトリアの兵士がティグライ紛争に関与していることが示唆されています。ロイター通信によると、5人の外交官が衛星写真や通信、ティグライからの報告から、地上にいる兵士の証拠を指摘しているといいます。
国務省の報道官はVOAに対し、エリトリア軍が難民に危害を加え、安全な場所への移動を妨げているという信憑性のある報告があると語っています。
報道官は「すべての当事者は人権と国際人道法を尊重しなければならない」と述べています。
しかし、エリトリア情報相のイエマネ・ゲブレムスケル氏は、ティグライ地方のエリトリア難民の困難な状況については国連が責任を負うと述べました。
ほぼ20年前から、UNHCRは、エリトリアに対する”戦略的過疎化”という悪質な政策のための主要なパイプになるために、その制度的使命とネットワークを乱用しています。UNHCRは、その無責任な行為を拡大して、絶え間ない中傷キャンペーンにふけることに固執しているようである。
ーイエマネ・G・メスケル (@hawelti) 2020年12月2日
レッドワン・フセインは、エチオピア政府のティグライ対策本部のスポークスマンです。連邦軍が国連チームを銃撃した後、フセイン氏は、政府の許可なしにこの地域を移動することは許されないと述べています。
悪い条件
難民インターナショナルのミラー氏は、ティグライの難民キャンプの状況が非常に悪くなっており、必需品が不足していると述べています。
「国連の報告によると、食料、医療品、燃料などの供給が非常に少なく、不足している」といいます。「難民が生き延びるために必要な資源が非常に少ないので、多くの難民がキャンプを離れ始めているのです。」。
ミラー氏は、当局は徒歩で逃げる人々が安全に逃げることを許可すべきだと述べます。
“There is a right to flee for your life no matter where you are.”
「どこにいようと命を賭けて逃げる権利はある。」と彼女は言っています。
What is UNHCR?
The UN Refugee Agency
UNHCR（ユーエヌエイチシーアール）は国連難民高等弁務官事務所（The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees）の略称で、1950年に設立された国連の難民支援機関です。
紛争や迫害により故郷を追われた難民・避難民を国際的に保護・支援し、難民問題の解決に対して働きかけています。 スイス・ジュネーブに本部を置き、約12,800人の職員 （日本人職員90人以上） が世界約130か国で約8,650万人の支援に従事しています。1954年と1981年にノーベル平和賞を受賞。
緊急支援
紛争や内戦などの緊急時において、UNHCRは、いかなるとき、いかなる場所でも、高度に訓練された緊急支援チームをいち早く現地に派遣。逃れてきた人々の命を守るための援助活動を開始し、テント、毛布、水、食糧、医療、生活用品などの援助物資を供給します。
自立支援
紛争や迫害で故郷を追われた難民、避難民の避難生活は十数年に及ぶこともあります。長い避難生活の間、学校に行けなくなってしまった子どもや、家族を失い社会的・経済的弱者となってしまった女性、故郷に戻れず生計を立てられなくなった人々のために教育支援・女性支援・自立支援を実施します。
活動地域
UNHCRでは、1950年12月14日に設立されて以来、世界各地の難民の保護と支援のため、約12,800人の職員が世界約130か国で支援に従事しています（2019年時点）。またUNHCRの支援対象者は、約8,650万人となりました。
エチオピア北部ティグレ地域で人道支援活動の再開へ
UNHCRは、1カ月にわたり紛争が続くエチオピア北部のティグレ地域において、状況が整えばすぐに人道支援活動を再開できるよう準備を進めています。
国連と連邦政府は、紛争の影響を受けている市民に対する人道支援として、同地域へのアクセスを許可するという合意に達しています。
エチオピア闘争
エチオピアで拡大する連邦政府軍と北部ティグレ州の支配勢力との戦闘が隣国を巻き込み始めた。ティグレ州から隣国エリトリアに14日、ロケット弾攻撃があった。スーダンには戦闘を逃れたエチオピア難民が押し寄せており、アフリカ東部が不安定になる恐れがある。
Refugees International
Founded: 1979 by Sue Morton in Washington,DC
Non-profit Organization
Eric P. Schwartz, President
Location:Washington,DC&New York City
Our mission
Refugees International advocates for lifesaving assistance and protection for displaced people and promotes solutions to displacement crises. We do not accept any government or UN funding, ensuring the independence and credibility of our work.
難民インターナショナルは、避難民のための人命救助のための支援と保護を提唱し、避難民の危機の解決を推進しています。私たちは、政府や国連からの資金援助を一切受けておらず、私たちの活動の独立性と信頼性を確保しています。
There are currently 79.5 million people displaced by war, conflict, and persecution, and tens of millions more displaced by climate events. At a time when the international community’s ability to respond to these crises is stretched thin, Refugees International’s powerful advocacy helps focus the response to ensure that resources are going to those who need it most.
Our advocacy is fearless and independent because we do not accept any government or UN funding. Our expert recommendations are highly valued by senior officials of the U.S. administration and Congress, the United Nations, and governments around the world—the very people whose decisions can bring immediate relief and lifesaving solutions to refugees.
Each year, Refugees International conducts approximately twenty field missions to identify displaced people’s needs for basic services such as food, water, healthcare, housing, access to education and protection from harm.
現在、戦争、紛争、迫害によって避難している人々は7,950万人、気候変動によって避難している人々はさらに数千万人に上ると言われています。これらの危機に対応する国際社会の能力が手薄になっている今、難民インターナショナルの強力なアドボカシーは、最も必要としている人々に資源が行き渡るように、対応に焦点を当てる手助けをしています。
私たちのアドボカシーは、政府や国連からの資金援助を一切受けていないため、大胆不敵で独立しています。私たちの専門家の提言は、米国の政権や議会、国連、世界中の政府の高官から高く評価されています。
毎年、難民インターナショナルは、食料、水、医療、住居、教育へのアクセス、危害からの保護などの基本的なサービスに対する避難民のニーズを特定するために、約20の現地ミッションを実施しています。
【12月13日 AFP】始まってから5週間がたったエチオピア北部ティグレ（Tigray）州の紛争から逃れた多数の避難者の中には、世界有数の独裁国家に数えられるエリトリア出身の男性や女性、子どもたちがわずかに含まれている。
これらのエリトリア人たちはこれまで、ティグレ州で難民として暮らしていた。紛争や抑圧が長年続いたエリトリアの人々にとって、ティグレ州は長い間安全な避難場所だった。
しかし、エチオピアのアビー・アハメド（Abiy Ahmed）政権がティグレ州政府与党「ティグレ人民解放戦線（TPLF）」に対し軍事作戦を開始すると、エリトリア人の難民キャンプ周辺では衝突が激化。難民たちが抱いていた安全という幻想は打ち砕かれた。
エチオピアとエリトリアは長きにわたり、公式には戦争状態にあった。
アビー氏は、2018年に首相に就任後、長年続いたTPLFのエチオピア政界支配に終止符を打った。TPLFはエリトリアのイサイアス・アフウェルキ（Isaias Afwerki）大統領の宿敵で、同大統領とアビー氏は同年、両国の紛争終結を盛り込んだ歴史的な和平合意に署名した。アビー氏はこの合意を受け、ノーベル平和賞（Nobel Peace Prize）を受賞している。
同盟関係が劇的に変化したことを受け、アビー首相は11月4日にティグレ州で軍事作戦を開始。エチオピアで長年にわたり保護されてきたエリトリア人たちは、この戦闘で標的になったとみられる。
以降、スーダンに逃れることのできたエリトリア難民はわずかしかいない。ティグレ州にある難民キャンプ4か所には、約9万6000人のエリトリア難民が暮らしている。
ー上記リンクより
エリトリア
アフリカ大陸の「角」、東南部に位置するその国土は、東側は紅海に面し、西をスーダン、南をエチオピア、そして南東をジブチと接している。ほかのアフリカ諸国が、欧米諸国から独立を果たしたのに対して、エリトリアはエチオピアとの間で独立戦争を経験し、1993年、周囲のアフリカ諸国からは30年ほど遅れて独立を果たした歴史がある。エチオピアとの国境戦争は、エリトリア国内のインフラを破壊し、その振興が待たれるほか、兵士として動員されていた者たちの動員解除及び退役後の社会復帰、難民や国内避難民の復帰等も課題として残されている。
エリトリアの教育と訓練
エリトリアの教育制度は、初等教育5年、中等教育3年、後期中等教育4年、大学4年である。高等教育を出た時点で、全ての男女がサワ国防訓練センターと呼ばれる施設で軍事訓練に従事することが定められている。18歳で高校卒業を迎えると、その後6か月間、寮で寝起きし、軍事訓練を受けるという。現在もエチオピアと緊張関係にあるエリトリアは、自国の人口規模が小さいために、有事に備え国民全員が兵役のトレーニングを受けるのだという。
エリトリアと就職
では、教育課程を終了した先は、どのような仕事が待っているのだろうか。まず、エリトリアでは、大学卒業後どのように仕事の情報を得るのかを尋ねた。ほぼすべての若者は、大学入学時に国家の名簿リストに登録され、卒業時それぞれの専門に合わせて仕事が割り振られる仕組みになっているという。
卒業後に自力で仕事を探す必要はありません。卒業後は、それぞれが学んでいた専門に合わせて政府から割り振られる仕事に従事することになります。文系学部の場合は、基本的に教師か法律関係の仕事、または行政に携わることになります。
プライベートセクターにフルタイムで就職できるのは、軍事訓練を受けるに適さないと判断された障害を有する人々やおおよそ50歳を超えた人々、また結婚し子どもを持った女性であり、例えばスーパーマーケットのレジなどは、ほとんどがそのような女性であるという。障害を有する、もしくはおおよそ50歳を過ぎている、という条件は、パスポートを取得できるかどうかの条件でもある。それ以外の人々は、基本的にエリトリア国内で暮らし、国が提供する仕事にそれぞれ従事することになる。
エリトリアと難民
エリトリアは、難民の出身の多い国として世界で第9位に入る（UNHCR 2018: https://www.unhcr.org/5d08d7ee7.pdf ）。ある友人は、昨今様々なメディアで取り上げられるシリア難民と比較し、エリトリアの難民が国を出る理由を、「未来が見えないから」と話した。
「エリトリアでは、難民も深刻な問題になっています。シリアで難民が発生するのは、そこに戦争があり生活することが不可能だから。でも、エリトリアで難民が発生するのは、「彼らにとって未来が見えないから」なんです。資源もなく、圧政が続いて自由も選択肢もない。だから国の外に出ていこうとするんです。」
Rights Groups Concerned Over Safety of Eritrean Refugees in Ethiopia
More than 46,000 people have fled the Tigray region in Ethiopia to Sudan. Dec. 10, 2020, in the Um Rakouba camp in Sudan. (Mohaned Bilal/VOA)
Reports of attacks on Eritrean refugees in Ethiopia’s Tigray area are causing concern among human rights groups.
About 96,000 Eritrean refugees lived in four camps in Tigray before the conflict started in November. Many fled to Sudan or to other parts of the country including the capital Addis Ababa.
Sarah Miller is with Refugees International, an independent group working to support refugees. She said Eritreans are being picked up and returned to Tigray or to their homeland against their wishes.
“There’s a lot of concern that Eritreans are being forced back to places where they would be in danger,” she said. Miller added that could be inside Ethiopia, in Tigray or even in Eritrea.
Miller told VOA the reports are coming in from refugees, family members and non-governmental organizations, or NGOs, that are active in Ethiopia.
Two Senators step in
Chris Melzer is part of UNHCR’s emergency team in Ethiopia. He told VOA that his organization did not have permission to return to the four refugee camps in Tigray. However, there is once again food aid at two of the camps. He too is concerned about reports of violence against refugees.
“We are aware of many stories about killings and abductions from the camps,” he said. He added that UNHCR cannot confirm the stories now, but if they are true, it would be a violation of international law.
The issue has gotten the attention of U.S. officials. In a joint statement, U.S. Senators Cory Booker of New Jersey and Todd Young of Indiana demanded that all parties in the conflict follow the law and protect civilians. They asked that Eritrean soldiers permit refugees to flee violence.
“We are deeply concerned by reports of Eritrean refugees in Tigray being killed, abducted and forcibly returned to Eritrea by Eritrean forces, as well as disturbing reports that some trying to reach safer areas are being prevented from leaving,” the senators said.
Evidence of soldiers seen by satellite
Recent reports suggest that Eritrean soldiers have been involved in the Tigray conflict. Reuters says five diplomats have pointed to evidence of soldiers on the ground from satellite pictures, communications and reports from Tigray.
A State Department spokesperson told VOA there are believable reports of Eritrean forces harming refugees and preventing them from getting to safety.
“All parties must respect human rights and international humanitarian law,” the spokesperson said.
But the Eritrean minister of information, Yemane Gebremeskel, said the United Nations is responsible for the difficulties of Eritrean refugees in the Tigray area.
Redwan Hussien is a spokesman for the Ethiopian government’s task force in Tigray. After federal forces shot at a U.N. team, Hussein said that no one is permitted to move about in the region without the government’s permission.
Bad conditions
Refugee International’s Miller said the conditions in refugee camps in Tigray have become very bad and there are shortages of necessities.
“The U.N. has been reporting very low, low supply of food, medical supplies, fuel,” she said. “There’s very little resources that refugees would have to survive which is why we’re seeing so many starting to leave the camps.”
Miller said officials should permit those fleeing on foot to do so safely.
“There is a right to flee for your life no matter where you are.” she said.
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Words in This Story
abduct – v. to take (someone) away from a place by force
disturbing – adj. causing worry or upset
